コレステロールと摂取量

コレステロール値が高いと脂質異常症や動脈硬化を生じさせる原因となりますので、予防のためにはコレステロール制限が大切です。

 

ところがコレステロール制限には難しい問題点があります。血中コレステロールのほとんどは肝臓で合成されますので、食品由来のコレステロールを制限したとしても必ずしもコレステロール値は下がらないということです。

 

しかしながら、コレステロールを含んだ食品と血中コレステロール値との間にはある程度の相関関係があります。

 

滋賀医科大学循環器内科では、(コレステロール量の多い)鶏卵摂取量と血中の総コレステロール値の関連性を調べる研究を行いました。その結果、鶏卵摂取量とコレステロール値との間には有意な関連がみられたとのことです。

 

実際、脂質異常症患者に対しては1日のコレステロール摂取量を300mgに抑えるよう栄養指導がなされます。こうした栄養指導が心臓病の予防に有意義であることは長年の医学研究から明らかになっています。

 

さて、厚生労働省では、1日のコレステロール摂取量として成人男性では750mg未満、成人女性では600mg未満になるように推奨しています。

 

およそ卵1個には270mgのコレステロール量が含まれていますから、卵の食べ過ぎには注意しましょう。といっても、1日1個くらいではまったく問題ありませんのでご安心を。卵は栄養価も高いですから、まったく食べないよりかは食べた方が健康には良いです(ただし高コレステロール血症患者の場合は2日に1個程度に抑えるよう栄養指導が為される場合あり)

 

また、コレステロール値を下げるためには、食品のエネルギー制限も重要になっていきます。お茶の水大学生活環境研究センターによれば、コレステロール増加予防のための適正エネルギー摂取量は、標準体重×30kcalだそうです。

 

標準体重は身長(m)×身長×22で割り出すことができます。

 

例えば170pの身長の人は、1.7×1.7×22=63kgが適正体重となります。したがってエネルギー摂取量は63×30=1,890kcal以内に収めれば良いということですね。

 

また、コレステロールを減らすのには、肉類に多く含まれる飽和脂肪酸の摂取量を減らし、魚類に含まれる多価不飽和脂肪酸の摂取量を増やすのが有効です。

 

飽和脂肪酸摂取量の減少がコレステロール値を下げるのは厚生労働省によるメタアナリシス介入調査によっても立証されていますし、また厚生労働省は多価不飽和脂肪酸(DHA+EPA)の目標摂取量を1日1,000mgと定めています。

 

食品に含まれるコレステロール、エネルギー、飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の4つの成分に気を付けて、効果的にコレステロール値を下げていきましょう。